【マンション相場】データが解き明かす!東京「3A+R」エリアの真実と六本木価格高騰の裏側💰

👑日本最高峰マンション立地「3A+R」エリアに異変!六本木が突出する価格高騰の深層

東京の中心に位置し、長年にわたり日本最高峰のマンション立地として評価されてきた「3A+R」エリアをご存知でしょうか?麻布、赤坂、青山に六本木を加えたこの地域は、グローバル都市・東京を象徴する居住ゾーンとして、国内外の富裕層や投資家から強い需要を集めてきました。

2023年中盤までは、各エリアが概ね同水準で推移し、「都心最高水準」として一括りに見られていましたが、2023年後半以降、その構図に大きな変化が生じています。特に六本木の坪単価が急激に上昇し、他エリアを明確に上回る動きを見せているのです。😲

通常、大規模再開発や利便性向上といった明確な要因で価格差は生まれますが、同時期に六本木で大規模な開発は行われていません。むしろ麻布では麻布台ヒルズが完成し、都市機能が大きく向上しました。それにもかかわらず六本木が突出している点は、不動産市場の構造を読み解く上で非常に重要なヒントを含んでいます。

麻布・青山・赤坂・六本木:中古マンション成約坪単価の推移

📈データが語る「価格上昇の真の正体」とは?

3A+Rエリアにおける面積帯別の坪単価推移を詳しく見ていくと、ある明確な傾向が見えてきます。それは、住戸面積が大きくなるほど坪単価が上昇するという現象です。特に80㎡以上の広面積帯では、2020年に坪600万円前後だった水準が、現在では坪1400万円前後にまで急騰し、2倍を超える異例の伸びを示しています。これは一体何を意味するのでしょうか?🤔

この現象は、単に地価やブランド力が高まった結果だけではありません。背後には、富裕層の住宅ニーズの変化が強く影響していると考えられます。近年、彼らが重視するのは「立地×広さ×築浅×眺望」といった複合的な価値。駅からの距離以上に、プライバシー性の高い広さ、共用部の充実度、建物のブランド性、そして高層階からの素晴らしい眺望が、価格形成に大きく寄与するようになっているのです。

そのため、平均値や中央値だけを見るとエリア全体が均等に価格上昇しているように見えますが、実際には価格上昇の中心は、限られた広面積帯・高グレード物件に集中しているという実態があります。80㎡以上の住戸は供給が極めて限られる一方で需要が非常に強く、価格が上昇しやすい構造にあると言えるでしょう。

3A + Rエリア: 中古マンション面積帯別坪単価推移

🗼なぜ「六本木」だけが突出したのか?

3A+Rエリアの中でも、特に六本木の価格が急騰した背景には、「築浅かつ広面積帯」という特定の物件セグメントの取引増加が大きく関わっています。

2006年築以降かつ80㎡以上という条件を満たす住戸の成約割合を見ると、六本木のみが2024年中盤以降に急激な上昇を見せています。この時期は、六本木の坪単価が他エリアと比較して大きく高騰したタイミングと見事に一致しており、両者には強い相関関係があると考えられます。つまり、六本木の価格高騰は、「エリア全体の地価が一様に上昇した結果」というよりも、「築浅かつ広面積帯という高価格帯物件の取引が、他エリアと比べて著しく多かった結果」 と解釈するのが妥当でしょう。

3A+R エリア : 2006年以降築80m²以上の予想成約件数の割合

では、なぜ六本木にそのような取引が集中したのでしょうか?

六本木は、東京の中でも数少ない「世界的に名前が通る街」です。外資系企業の拠点、国際色豊かな商業施設、高級ホテル、ナイトライフ、アート施設が集積し、外国人にとって東京を象徴する都心エリアとして広く認知されています。この「国際的な認知度の高さ」が重要なポイントです。

日本の地理や不動産市場に詳しくない外国人投資家であっても、「六本木」という地名だけで立地価値やステータス性を直感的に理解しやすく、投資判断を下しやすいという特徴があります。このような認知のしやすさは、特に短期的な値上がり益を狙う投機資金にとって非常に魅力的な要素となるのです。再販時にも「説明しやすく、買い手が付きやすい」立地であることは、流動性と出口戦略の明確さを担保します。

結果として、六本木では「築浅×大型住戸」という高額帯の商品に対して、実需型の居住目的に加え、値上がり期待を前提とした投資・投機マネーが重なりやすい構造が形成されました。特に円安局面では、日本の都心不動産は外貨ベースで割安感が強まり、六本木のような国際的に認知度の高いエリアには資金が流入しやすくなっています。

💡表面的な価格に惑わされない!賢いマンション選びの視点

今回の分析から、現在の3A+Rエリア、特に六本木の価格動向は、必ずしも「居住価値」や「エリアとしての成熟度」そのものの上昇を直接反映しているわけではないことが分かります。むしろ、築浅かつ大型住戸という特定のセグメントに取引が集中した結果として、表面的な数値が歪められている可能性が高いと言えるでしょう。現在の都心マンション市場には投機的な取引や短期売買が一定数含まれており、実需に基づく価格形成とは異なる力学が働いている点にも注意が必要です。

マンション選びにおいて、表面的な価格指標に一喜一憂するのではなく、「どのエリアが中長期的に見て居住価値と資産価値の両立を実現しやすいのか」 という視点こそが重要になります。

エリア評価は、単なる価格水準の高低だけで測られるべきではありません。交通利便性、生活利便性、教育・医療・文化インフラ、治安や街の落ち着き、将来的な都市計画や再開発の余地、住民コミュニティの質、そしてエリアブランドの持続性といった多層的な要素を総合的に考慮して判断されるべきです。🧐

この観点から見ると、麻布台ヒルズの完成により都市機能が向上した麻布、長年にわたり高級住宅地としての品格を保ち続けてきた青山・赤坂の評価が、六本木に劣るとは必ずしも言い切れません。特定のエリアや物件タイプに取引が集中する局面では、市場データの読み解きには一層の慎重さが求められます。表面的な数値だけに基づいてエリア評価を下すのではなく、その背後にある取引構造や需要層の変化を丁寧に読み解くことこそが、真に価値ある不動産判断につながるでしょう。✨


筆者プロフィール

福嶋 真司氏のポートレート

福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社 データ事業開発室 不動産データ分析責任者
福嶋総研 代表研究員

早稲田大学理工学部卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。また大手メディア・学術機関等にもデータ及び分析結果を提供しています。

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