ECサイト上位100社の約7割が検索精度に課題!「運用の壁」を乗り越えるAI・LLM活用の未来とは?

サイト内検索の重要性と調査背景

ECサイトにおいて、サイト内検索を利用するユーザーは、特定の購入意図を持っており、購買意欲が高い層とされています。そのため、検索の瞬間にいかに的確な商品を提示できるかが、コンバージョン率に大きく影響します。DGBTは、2010年よりEC向けサイト内検索サービス「NaviPlusサーチ」を提供し、350サイト以上のECサイトの検索改善を支援してきました。この経験から、多くのECサイトで検索機能が十分に活用されていない現状を認識し、2015年からEC売上高上位企業を対象にサイト内検索の実態調査を継続的に実施しています。今回の調査は7回目となり、EC業界のトレンドや技術進化に合わせて5軸・25項目の評価体系を採用し、実際のユーザー体験に即した目視調査で精度を確保しています。

調査サマリー:ECサイトが直面する3つの課題

今回の調査では、ECサイトのサイト内検索における主要な課題が3つのポイントに集約されました。

  1. 「表記ゆれ対応」は3年で倍以上に改善し、高精度な検索エンジンの活用が“当たり前”のフェーズへ移行していること。
  2. ECサイトの3分の2以上が同義語対応が不十分であり、“運用の壁”が業界共通の課題となっていること。
  3. 検索結果が0件だった際の「おもてなし」不足が、ユーザー離脱の決定打になっていること。

これらの課題は、ECサイトの売上向上において見過ごせないポイントです。

詳細な調査結果から見えた“運用の壁”

1. 「表記ゆれ対応」は大幅改善も、まだ進化の余地あり

ひらがな・カタカナ、全角・半角といった入力の揺れを自動で吸収する「表記ゆれ対応」は、2023年の33%から2026年には78%へと大幅に改善しています。これは、高度な処理性能を持つサイト内検索エンジンの普及により、基本的な検索課題が解決されつつあることを示しています。しかし、完璧な対応にはまだ改善の余地があると言えるでしょう。

「表記ゆれ対応」は3年で倍以上に高精度な検索エンジンの活用は"当たり前"のフェーズへ

2. 同義語対応の不十分さが“運用の壁”に

「スマホ」と「スマートフォン」、「靴下」と「ソックス」のように、意味は同じでも言葉が異なる「同義語」への対応スコアはわずか32%にとどまりました。これは、ECサイトの3分の2以上が十分な対応ができていないことを意味します。約半数のサイトでは同義語にまったく対応しておらず、検索する言葉によって表示される商品が異なるため、ユーザーが目的の商品にたどり着けない可能性があります。

同義語対応には辞書登録や類義語設定といった継続的な運用が必要ですが、商品の入れ替えやトレンドの変化に手動で追いつくことには限界があります。この「運用の壁」が、サイト内検索エンジンの導入効果を十分に引き出せない大きな要因となっていると考えられます。

ECサイトの3分の2以上が、同義語対応が不十分"運用の壁"は業界共通の課題

3. 0件ヒット時の「おもてなし」不足がユーザー離脱を加速

検索精度に関する課題と並んで顕著だったのが、検索結果が0件だった際の対応不足です。調査対象の50%にあたる47サイトが、「何も見つかりませんでした」や「検索結果:0件」と表示するだけで、キーワード候補の提示やレコメンドなど、ユーザーに次の行動を促す案内をしていないことが明らかになりました。

0件ヒット時の「おもてなし」不足がユーザー離脱の決定打に

検索精度を高めても、在庫切れや入力ミスによって0件になるケースは避けられません。この瞬間にユーザーへの「接客」を放棄することは、ユーザーの離脱と機会損失に直結します。購入意欲の高いユーザーが検索行動を起こした時こそ、次の行動を促す仕組みが不可欠であり、関連キーワードの提示や類似商品のレコメンド、カテゴリ検索への誘導など、検索体験を向上させる工夫が求められます。

2026年の展望:AI・LLM活用が“運用の壁”を解決する鍵に🔑

表記ゆれ対応は改善傾向にあるものの、同義語対応の低さや0件ヒット時の対応不足は、依然として大きな課題です。特に同義語対応における手動での辞書登録や類義語設定には限界が来ています。

この「運用の壁」を解決する存在として、AIやLLM(大規模言語モデル)を検索エンジンに組み合わせた活用が本格化しています。AIがキーワードの「文字」だけでなく、ユーザーの「検索意図や文脈」を推論して補正することで、個別の辞書登録に頼りすぎない柔軟な検索体験が実現するでしょう。また、類義語登録などのメンテナンスをAIが担うことで、事業者の運用負荷の削減も期待されています。

検索は単なる「商品の抽出機能」ではなく、ユーザーを目的の商品へ導く「接客機能」へと進化しています。最先端のAI技術を活用し、ユーザーの「探すストレス」とEC事業者の「運用のストレス」を解消することが、ECサイトの競争力を左右する重要な鍵となるでしょう。

本調査の詳細資料と無料診断のご案内

DGBTは、本調査の結果概要をコラム記事にて解説しています。より詳細なデータはホワイトペーパーで確認できます。

また、DGBTでは、本調査と同じ「5軸・25項目」でECサイトのサイト内検索を無料で診断するサービスも提供しています。自社の検索機能が業界内でどのレベルにあるか知りたい場合は、以下のリンクからお申し込みください。

ECサイトの成長を目指す上で、サイト内検索の最適化は避けて通れない課題です。今回の調査結果を参考に、自社のサイト内検索機能を見直し、AI・LLMなどの最新技術の活用を検討してみてはいかがでしょうか。🚀

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