- 2026年4月18日
AI Overview出現、YMYL属性よりも「トピック領域」が鍵か?2,609キーワードの多軸分析で新事実が判明💡
株式会社はちのす制作が実施した最新の調査により、Google……
GIGAスクール構想の進展により、小中学校での情報端末活用が日常となる中、生成AIの利用実態が注目されています。社会人向け総合専門職大学院である社会構想大学院大学の中川哲教授と上越教育大学大学院の榊原範久教授の研究チームは、この生成AIの教育利用に関する実態調査を実施し、特に「ブラウザAI要約」の利用状況とその影響について明らかにしました。
この調査結果は、2025年12月27日発行の『月刊先端教育』2026年2月号に詳しく掲載されています。📚
本調査は、児童生徒による生成AIの利用実態を把握することを目的としています。特に、検索結果に自動表示される「ブラウザAI要約」に焦点を当て、その利用状況、教員の指導体制、そして学習への影響について、教育現場の現状と課題を明らかにしようとしました。
生成AIは学習支援ツールとして期待される一方で、誤情報のリスクや批判的思考力の低下といった懸念も指摘されています。この調査は、「浅い学び」に陥らないための教育的対応や指導方針を検討する上で重要な材料となることを目指しています。
調査時期: 2025年10月下旬~11月下旬
対象地域: 関東・近畿・北陸の複数自治体の小学校・中学校・義務教育学校
回答数: 合計1,090名の教員
調査方法: Googleフォームによる4件法+「分からない」、自由記述あり(※教員の自己申告による)
教員の 71.5% (779名)が、調べ学習にブラウザ検索を活用したと回答しています。
教員がブラウザAI要約を推奨したと回答したのは 10.1%(85名)に留まりました。
一方、推奨しないと回答した教員は 84.3%(657名)に上ります。
しかし、児童生徒が教員の指示なく自主的にブラウザAI要約を使用していると回答した教員は 38.5%(300名)でした。学校種別では、小学校で33.0%、中学校で51.3%、義務教育学校で36.4%となっています。
さらに、児童生徒が要約内容をそのまま用いるケースが 38.6%(301名)に達していることが判明しました。
教員が対話型生成AIを推奨したと回答したのは 8.7%(69名)、推奨しないは 88.6%(690名)でした。
児童生徒が教員の指示なく自主的に使用していると回答したのは 18.2%(142名)で、小学校で11.3%、中学校で34.7%、義務教育学校で28.6%でした。
児童生徒が要約内容をそのまま用いるケースは 21.6%(168名)でした。
注目すべきは、ブラウザAI要約の自主利用率が、対話型生成AIの約2倍にものぼる点です。

調査結果から、以下の課題が明らかになりました。
シャドー利用の広がり: 教員の多くが生成AIの利用を「推奨しない」とする一方で、現場では教員の指導外での「シャドー利用」が広がっており、指導方針と実態に大きな乖離が生じています。
情報吟味プロセスの省略: ブラウザAI要約は検索結果の上部に自動表示されるため、児童生徒が「検索 → AI要約を結論として丸写し」する傾向が見られます。これにより、本来必要な情報の比較・吟味・整理といった学習プロセスが省略される懸念が浮上しています。
中学校でのリスク増大: 特に中学校では、児童生徒の自主性の高まりや提出物へのプレッシャーが複合的に作用し、AIの情報を無批判に受け入れてしまう「浅い学び」につながるリスクが高まっていると考えられます。
研究チームは、生成AIを効果的に活用しつつ、児童生徒の思考を深めるための具体的な3つの策を提案しています。
これらの提案は、教育現場や政策に関わる方々にとって、AIと学びの未来を考える上での貴重な指針となるでしょう。
本調査の全文は、2025年12月27日発売の『月刊先端教育 2026年2月号』に掲載されています。
社会構想大学院大学は、2017年4月に開学した社会人向け総合専門職大学院です。社会の理想の姿を見定め、その実現のためのグランドデザインを練り上げるプロフェッショナルや、社会的起業によって経済活動と社会貢献の好循環を実現できる人材の養成を目指しています。
社会構想大学院大学について: https://www.socialdesign.ac.jp
学校法人先端教育機構について: https://www.sentankyo.jp/