- 2026年4月5日
日本の旅行用アクセサリー市場、2029年までに10億4,000万米ドル超へ拡大予測!最新トレンドと成長戦略を徹底解説
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東京都の湾岸エリアは、ここ数年、中古マンション価格が急激な高騰を続けてきました。特に晴海、勝どき、豊洲、有明といった主要エリアでは、国内の実需だけでなく、海外投資家や富裕層マネー、さらには転売目的の投資需要が流入し、相場を大きく押し上げてきた歴史があります。新築タワーマンションの供給価格上昇も相まって、中古市場も連動して価格が切り上がり、「多少高くても売れる」という状況が長く続いていました。
しかし、2026年に入り、この市場に明確な変化の兆しが見え始めています。それは「価格は高止まりしているものの、流動性が低下している」という現象です。つまり、売主が希望する価格では売れにくくなっている状態が、湾岸エリアで顕在化しつつあるのです。
東京都湾岸エリアにおける高価格帯マンション(平均売出価格8,000万円以上)の在庫推移を見ると、この変化がより鮮明になります。

2025年1月時点では約1,050件だった在庫数が、2026年4月には約1,500件まで増加しており、わずか1年強で約1.5倍に膨れ上がりました。中古マンション市場において在庫の増加は、非常に重要なシグナルです。これは単に「売り物件が増えた」という供給面の要因だけでなく、「買い手が減少し、売却に時間がかかっている」という需要面の弱含みも反映されるためです。
特に湾岸エリアでは、近年の価格高騰によって実需層が購入しづらくなっており、従来市場を支えていたパワーカップル層や高所得ファミリー層でさえ、資金負担感が強まっていると見られています。
さらに注目すべきは、在庫分布の偏りです。シンボリックな高価格帯マンションの在庫推移をマンション単位で可視化した地図を見ると、その傾向がよく分かります。

赤プロット: 在庫減少傾向(流動性が高い)
黄プロット: 在庫横ばい(流動性は標準的)
青プロット: 在庫増加傾向(流動性が低下)
この地図からは、中央区内陸部や一部の住宅立地では比較的安定した流動性を維持している一方で、湾岸エリアでは青色プロット、つまり在庫増加傾向のマンションが広範囲に点在していることが見て取れます。これは一時的な売却増ではなく、市場全体として「買い手が価格についていけなくなっている」可能性を示唆しているでしょう。
湾岸タワーマンション市場では、これまで「含み益」を背景とした転売も活発でしたが、現在はその回転速度が明らかに鈍化しています。以前であれば即座に吸収されていた売出物件が、市場内に滞留し始めているのです。
この傾向は、販売日数や値下げ回数にも表れています。湾岸エリアの中古マンションにおける「販売日数」と「値下げ回数」の推移を見ると、その変化は明らかです。

2026年以降に成約した住戸では、値下げ回数が大きく増加している一方で、販売期間も長期化していることが確認できます。これは非常に象徴的な変化です。従来の湾岸市場では、「強気価格で売り出しても短期間で成約する」ケースが珍しくありませんでした。
しかし現在は、売主が高値を維持したまま売却活動を始めるものの、買い手が追随できず、結果として複数回の値下げを経てようやく成約に至るケースが増加していると考えられます。初回売出価格からの値下げ率も拡大傾向にあることから、市場参加者の価格期待と実際の需要との間にギャップが生じていることが示唆されます。売主側には「まだ上がる」という期待が残る一方、買主側は金利上昇や景気不透明感、価格高騰疲れなどから慎重姿勢を強めているでしょう。
晴海を代表するタワーマンションの階層別成約坪単価の推移を見ると、市場の変化はより鮮明になります。高層階・中層階・低層階を問わず、2025年末頃をピークとして、その後はピーク時を下回る成約単価で推移していることが確認できます。


これは「相場が崩壊している」というよりは、「過熱した価格形成が調整局面に入り始めた」と見るべきでしょう。特に湾岸タワーマンションは、価格上昇局面では資産性期待が先行しやすい一方で、市況変化時には価格調整圧力も受けやすい特徴があります。価格が調整し始めているにもかかわらず、販売期間が長期化している点は注目に値します。現在の価格水準そのものが、既に需要サイドの許容レンジを超え始めている可能性を示唆しているのかもしれません。
今後、住宅ローン金利の動向や実体経済の変化次第では、湾岸市場は「価格維持」よりも「流動性確保」を優先する売却が増加する可能性があります。これまで東京都中古マンション市場を牽引してきた湾岸タワーマンション市場は、いままさに転換点に差し掛かっているのかもしれません。
しかし、これは必ずしもネガティブな変化だけを意味するものではありません。これまでの湾岸市場は、急激な価格高騰によって一部の富裕層や投資マネーに支えられる側面が強く、実需層にとっては「買いたくても買えない」状況が続いていました。特にファミリー層においては、必要な広さを確保しようとすると価格負担が極端に重くなり、購入を断念せざるを得ないケースも少なくありませんでした。
価格が一定の調整局面に入ることで、これまで市場から押し出されていた実需層が再び購入を検討しやすくなる可能性があります。現在起きている流動性低下は、市場崩壊というよりも、「過熱した価格が実需に近い水準へ正常化していく過程」とも捉えられます。
住宅市場は、価格だけでなく「売買が成立すること」そのものが極めて重要です。適切な価格帯へ調整されることで、購入検討者の裾野が広がり、結果として市場全体の流動性が回復するとも考えられます。湾岸エリアは、交通利便性や眺望性、大規模開発による街の将来性など高い魅力を持つエリアであり、その価値が急激に失われたわけではありません。むしろ、価格と需要のバランスが再調整されることで、投資主導だった市場から、再び実需中心の安定した市場へ移行していく可能性も十分に考えられるでしょう。
調査期間: 2021年1月~2026年5月25日
調査機関: 株式会社マンションリサーチ
調査対象: 東京都中央区・江東区湾岸エリアの中古マンション
サンプル事例数: 21,264事例
調査方法: 公開されている中古マンションの売出情報を収集し、統計処理を施して集計

福嶋 真司(ふくしま しんじ)
マンションリサーチ株式会社 データ事業開発室 不動産データ分析責任者
福嶋総研 代表研究員
早稲田大学理工学部を卒業後、大手不動産会社にてマーケティング調査を担当。その後、建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発を行いながら、顧客企業の不動産事業における意思決定をサポートしています。また、大手メディアや学術機関等にもデータ及び分析結果を提供しています。